東洋医学では舌の診断をとても重視します。
舌は心臓に繋がる、その心臓は神を宿す、とされています。
神とは神経、精神であり、生命力や自律神経のことでもあります。
つまり生命の最上位に存在する君主です。
そんな心臓に繋がるのが舌なので、舌診は生命力(内臓の働き)、自律神経の状態、精神の状態を診ることができます。
東洋医学では「右半身は陰の働きが優位」「左半身は陽の働きが優位」であるとされています。舌は体の中心に位置して生命に直結していますので、これが陰である右に傾いていたり、陽である左に傾いている場合には陰陽に偏りが起こっている、現代医学風に言えば交感神経(陽)と副交感神経(陰)のバランスが乱れていると診ることができます。この場合には陰陽のバランス=自律神経のバランスを戻すことが第一に必要な治療となります。
また現代医学的に考えても舌には血管が密集しており、味覚を伝えるための神経も多く、更に傷を早く治すための免疫機構も他の場所以上に発達しています。
その舌の状態を診て多くの情報を得るというのは、とても理に叶ったことだと思います。
このように西洋医学的にも東洋医学的にも身体の重要な生理機能を満載している舌の状態を診て、
舌に何か異常な兆候が見られたらそれは生命力に関わるような生理機能に何か異変が生じている、病が深い=治りにくい、あるいは治すのにとても時間がかかる、と診断することができます。