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東洋医学

【望診】

東洋医学のバイブルである『難経』という書物にこんな一文があります。

「望而知之、謂之神

聞而知之、謂之聖

問而知之、謂之工

切脉而知之、謂之巧」

(難経六十一難)

東洋医学はこの四診をもって病の原因を診断し、それに見合った治療を行います。

望診とは簡単にいうと輪郭や骨格、目の大きさ形、鼻や唇、耳の形状や肌艶、声質、話し方や動き方、目から得られるあらゆる事柄から情報を得る診断法で、

私はこれに氣を読むこと、つまり相手の方の雰囲気、楽しそうか沈んでおられるか、暑そうか寒そうか、感謝の意識なのか恨みや怒りの意識なのか、 そのようなこともなるべく意識して読み取るようにしています。これを30年近く続けてきたので今ではあまり意識しなくてもなんとなく感じ取れている、そんなイメージです。

ちなみに感情の歪みはダイレクトに身体に反映され、病の原因となります。怒りや恨みの意識は交感神経を昂らせて熱酸性を盛んにし、更に組織の収縮を誘発するので熱を閉じ込めてしまい、それが水と結びつくと湿や痰といったあらゆる病の根本原因となる状態を生み出します。熱と粘りが生まれるのでとてもこじれやすく治療が難しくなります。なので病を治すためには穏やかな和の意識によって副交感神経を優位にすることが最も大切であることを東洋医学は教えてくれています。

さて、西洋医学の診断は物理的医学なので物理的原因を追求しますが、東洋医学は「氣=働き」を診る医学なので、働きの異常を診断します。

例えば冷えると皮膚が閉じて体温が逃げられなくなり、熱がこもって皮膚炎や炎症を起こしやすくなる、

このとき

「皮膚炎の直接的原因である熱」と「その熱を起こした根本原因である冷え」という、目では見えない原因を診断するのが東洋医学です。

ちょっと余談ですが、この原因の対処のために使うツールが鍼灸と漢方であり、この診断や理論抜きで使う鍼灸や漢方は本来の使い方ではないですね。

さて、そんな目に見えない「働き」の異常=病の原因を診るのが東洋医学の診断であり、その最上級のものが「望診」とされています。なので「神を診る」とも言います。神とは精神、中枢神経のことでもあり、これも働きです。それでこの望診ができる治療家のことを「神」と呼び、聞診で診断できる治療家を「聖」、問診で診断できる治療家を「工」と呼んでいたようです。

触って診断するのは「巧」ですからもしかするとこの段階は治療家としてはまだ認められていなかったのかもしれませんね。

このような望診を駆使してその方にとって最善の治療を選択しています。

ご来院の場合は更に脈診を行い、脈診と望診での診断が揃っているかを診ます。揃っていれば「順」であり、自律神経が整っているので自然治癒力が働きやすいとみます。

脈診と望診が違う兆候を示していれば「逆」と捉えます。例えばプロレスラーのような体格で脈がとても弱ければ逆です。また望診でとても華奢で虚弱体質に見える方の脈が大きく強ければこれも逆です。

同じ生命体の中で違う方向の力が働いているので「逆」であり、これは自律神経が乱れていることを表し、自律神経が乱れていると治癒力が働きにくいため治りにくいと診断します。

加えて舌診を行います。舌診は内臓の冷えや熱の状態、湿や瘀血などの病因、病の軽重、期間の長短などを診るとともに、陰陽のバランスが崩れていないかを診ます。

身体は常に陰陽でバランスをとっています。

この陰陽は自律神経のバランスのことでもあり、上下、左右、内外で拮抗し健康を維持します。舌診では特に左右の陰陽のバランスを診ます。

東洋医学では左は陽、右は陰としていますので、左に歪んでいる場合は陽に傾きすぎているか氣が上がりすぎているか、右に傾いている場合は陰に偏りすぎているか氣が降ろせていないなどが推測できます。

このようにあらゆる状態から診断するのが東洋医学であり、ご来院が叶わない場合はオンラインで望診と舌診、問診を行って原因を推測し、必要な養生やセルフケア(ツボ、お灸)などをアドバイスしています。

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